暮らしのしおり

日常を愛する主婦のブログです。

「自分をいかして生きる」

おはようございます。


働き方研究家の西村佳哲さんの「自分をいかして生きる」を読んだ。そして何度も読んでいる。
2009年に発行の本なのに、まだまだ時代が追いついていないというか新しいことが書いてあるように思える。
わたしも確か10年くらい前にも読んだことがあるのだけれど、仕事について今もまだ迷っているから久しぶりに読んだけれど、メモをする手が止まらない。
でも当時はピンと来なかったことが、今は書いてあることがわかりすぎて、わたしの思うことや理想に近いことが語られていて、ああやっぱり間違えていないんだなと後押しされた気分。


西村さんもおっしゃっているけれど、今の社会では就職活動が成人の儀礼のようになっている。
わたしも間違いなく、そう思って(思わされて)大人になったうちの一人で、学校は高校や大学まで出て、就活して、立派な社会人(会社員や公務員)にならなければと思って生きてきた。

だから、小学校のころから毎日学校楽しくないなと行きたくないなと思いつつ、有無を言わさず通わされ、勉強させられ、部活で運動させられ、受験させられて、気づいた時にはレールの上に乗って走っていた。
就活もしないと卒業後はどうするのといった感じで、やりたくないことをやらなきゃいけないものだから5キロくらい痩せたのも覚えている。
やっと勉強や親の目から解放されて、自由な生活を送れた大学時代を人生の夏休みなんて呼んで、夏休みの終わり(就活)は本当に憂鬱だった。
ああ、このあとは毎日働き詰めの日々が待ってるんだ、もう楽しみなんてないなって本気で思ってた。
仕事や学校、人生は辛いのがベース、頑張った分だけお金がもらえるのがこの社会だと。
そして、わたしはそんな生き方に就職して2年で耐えられなくなって辞めたのです。



でも、本当にそうなのか。
間違えた道を来たなと確実に気づいたのはここ10年くらいのこと。
今思えば、学校でこれはやだなと思うことがいくつもあって、その違和感を無視せずに生きてこられたら違ってたなと思う。
せめて高校生くらいのときに、西村さんのような大人が周りにいたらななんてつい思ってしまう。


「働くことを通じて『これが私です』と示せるような、そんな媒体になる仕事を求めている」
西村さんのこの言葉にわたしの思う仕事の概念が集約されている。

別に職種は何だっていいのかもしれない。
「何かしたいかということより、それを通じてどんな自分でいたいとか、どう在りたいということの方が、本人の願いに近い」
これが仕事のいちばん根底にあること。


そして、その上で仕事は単に自分がやりたいことだけをやる場でもない。
なんでもかんでもやりたいことを発表したり、それを仕事にするべきではないと西村さんは言う。
その「やりたいこと」の中で、それが自分だけのこととは思えなかったら、世界に差し出してみる。
「仕事は、自分の課題と社会の課題が重なるところにある」
他人には任せたくない、思わず手がのびてつかみたい衝動が生じること、考えるより前に自分という存在から湧き上がる衝動、それが何かの形となって社会に差し出されるときに、その人の仕事となる。
自分が、わたしたち(=社会、友達、世界中の人)であるかのような感覚で取り組めること、そこに仕事になるヒントが隠されているのではないかと西村さんは言う。


ただ、この社会はお金が一番大事なものとして大部分を占めているから、こんな考えで大人になることが難しいのだと思う。
まずはどこかに就職して稼がないといけないと思うのが普通だ。
大学や専門学校に進学するのもお金がかかる。
そもそも社会に出てからマイナス(借金)からのスタートの人も多い。
だから、自分に合いそうなところを選んで就職するのが普通となってしまう。

でも本当にそうなのかな?
小学生くらいのころから、みんな得意なことや好きなことがあるんじゃないか。
生き物が好き、歴史が好き、ロボットが好き、電車が好き、小さい子のお世話が好き、おしゃれが好きとか、そんなまだ純粋な心のままの得意なことや好きなことを、伸び伸びやれる環境があれば、そのまま大人になって好きなことがどんどん得意なことになって、自分をいかして仕事ができるのになんて想像してしまう。

わたしは馬鹿なことを言っているのかな。
でもこんな社会だったらいいのになって心から思う。
好きなことや得意なこと、持って生まれた自分を丸ごと社会にいかせたら、これ以上の人間としての喜びってあるのかなって思う。

やっぱり人の役に立ちたいってわたしも含めてみんは思っているはず。
それが得意だったり好きなことだったりしたら一番いい。
辛くて辛くてたまらなくて、でもお金のために働かないとって思うのはすごく寂しい生き方だと思う。
特にわたしの親世代まではそれが当たり前だったと思うけれど、わたしはそんな社会がもっと変わってほしいと思うから、子どもにも伝えていきたいし自分でも自分をいかしていきいきとしている姿を子どもにも見せたいって思う。


それを見つけるためには、瞬間瞬間の中で、一番自分ができること、やれることをやるしかない。
いつだって世界は自分の思うようになってはいないけれど、その中で少しでも「自分がより生きる感じ」を選んで生きたい。
吉本ばななさんとプリミ恥部さんも同じことを言っていたなぁ。
今日一日を自分ができるベストな一日にすること。
そんなことから何かが始まるのかもしれない。


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