こんにちは。
道内の小樽市で「人間と文学」というセミナーがあり参加してきました。
講演したのは、養老孟司先生、茂木健一郎先生、林真理子先生、斎藤惇夫先生です。
以前から何度も書いていますが、わたしは養老先生の大ファン。
ご本人が北海道まで来るということで初めてこういったセミナーに参加してみました。
会話の中で、村上春樹先生はこう言っていてとかが普通に出てくる世界にしびれました。笑
養老先生は87歳になったばかりとは思えないほど若々しくてキラキラして見えました。(ただのファン)
「人間には全然興味がない。小樽にどんな虫がいるかのほうが気になる」というようなことをおっしゃっていて、いつも本で読んでいるままの方だなぁといちいち感激。
文学セミナーだったので文学や物語に関連してお話するわけですが、内容もだけど先生の人柄に注目して聞いていました。
茂木先生に何か振られるたび、「全然興味ない」とか「わからない」とか率直に答えていていつでも自然体でますます好きになりました。
AIとかコンピュータに人間や人間の作る物語は対抗できるのかというのがセミナーの一つのテーマだったのですが、昨日の先生たちはAIとかスマホとかに対極にいる方々です。
自分の頭や体で考え行動し作品を生み出している。
ネットの世界ではなく自分の実感や体験をなにより大切にしています。
AIというのは結局どうやったら売れるのか儲かるのか効率を良くするツールというようなことを林先生がおっしゃっていました。
結局この世界はお金が一番重視されている社会です。
だからほとんどの人は、お金をたくさん稼ぎたくて生きています。
だけど昨日の先生たちは違う。
本が売れまくっていて知名度もあって、社会的にも重要なポストについているから、莫大な富を手に入れているはず。
だけど、(それなりのものを身に付けているのだろうけど)見た目や服装はとても普通で(むしろ田舎の庶民のほうが派手にブランドものなど持っている、、、!)ご自分の研究や執筆や仕事に集中している。
お金はただの手段に過ぎないというのを腹の底から分かっている感じがしました。
わたしだったら、ここまで有名でお金も持っていて立場もあるのなら、寒い中北海道の地方までわざわざセミナーに来るかなとその熱意はどこからくるのだろうと考えてしまいました。
もっと世界を良くしたいとか、仲間と文学や文化を高めたいとか、物事を知りたいとかそういう情熱がいつもどこかにあるのだと思います。
わたしはその体を動かして行動する姿勢にとても感銘を受けたし、わたしがこういう風にもがいて生きているのも無駄じゃないのかなと励まされました。
言葉は人間の感情や体験を表現する手段です。
そしてそれをさらに人に深く強く伝えるために人は物語を作る。
その大変さやおもしろさ、奥深さを心から理解している方たちだからこそ、本や文学を大切に守っていきたいと思っているのがよくわかったし、わたしももっともっと本を読みたいなと刺激を受けました。
本当にお金というのはどうでもよくてただの手段で、人間や文化や文学の価値はもっと別のところにあるのだと、わたしが普段から大切だと思っていることは間違いじゃなかった。
日本でもトップにいる頭の良い先生たちがこういう人たちで安心したしうれしかった。
読んでいるだけではわからない、本人に会うことによってわかる温度とか空気感を味わえたのは今後のわたしの人生に大切な経験となりました。
日本や世界はどこに向かっているのだろうと不安になるけれど、こういう人がいる限り大丈夫なのかもしれません。
養老先生が少し過激だけど、「南海トラフ待ち」と何度か言っていました。
今の日本はもう政治とかで変えられないところまで来ているから、大きな地震が来て根本から社会が変わらるくらいしか手段がないとおっしゃっていました。
電気やガスが止まってみんなが困って、自然と上手く生きていくような社会にかわるしかもはや方法はないらしい。
「だから僕は地震待ちです」と。笑
なるほどなと思います。
このお金や消費が一番にくる今の社会にわたしも本当に嫌気がしています。
稲垣えみ子さんのように電気やガスを使わない生活をするほど根性のない自分も嫌だし。
怖いけれどそのくらいの強い変化がないと人は楽な方に流されて目の前の成果でしか判断できないのかもしれません。
もっともっと広い視野でいろんなことをみたいなと刺激を受けました。
とりあえず本を読んで自分にできることを考えて行動しよう。